まず確認すること

「締めても空回りする」場合、悪いのはネジではなく木側の穴であることが多いです。 まずネジを抜いて、両方を確認してください。

  • ネジの山にエッジが残っている → ネジは無事。穴側の問題
  • 穴の縁が丸く広がっている・木粉が出る → 穴の劣化が原因
  • ネジの山自体が潰れてつるつる → ネジ交換で済む可能性があります

ネジ穴が広がる原因は、繰り返しの抜き差し・荷重・締めすぎです。 一度削れた木は元に戻らないので、「強く締め直す」では解決しません。

原因別の対処

穴が少し広い程度: 爪楊枝と木工用ボンドで埋める

穴の拡がりが小さい(1〜2mm程度)場合の定番の応急処置です。 木工用ボンドを穴に少量入れ、爪楊枝や細い木片をボンドごと差し込みます。 余分な先端は折るか切り、ボンドが乾いてからネジを締め直します。

爪楊枝がネジの脇の隙間を埋め、ネジ山が掴む木を補います。 木工用ボンドが乾くまではネジを入れないでください。

穴が大きく広がっている: ネジ穴補修剤で再生する

爪楊枝では足りないほど広がった穴は、木部用のネジ穴補修剤(充填剤)を使います。 建築の友のネジ穴再生剤を例にすると、製品情報では以下の条件が示されています。

  • 対象は屋内の木部。穴は6mm程度まで充填できる
  • 穴の中をきれいにしてから充填し、乾燥まで約24時間(20°Cの条件)
  • 乾燥時に約40%収縮するため、たっぷり充填する
  • メーカー条件での最大引抜強度は80kgf、ネジより2〜3mm大きい穴での参考荷重は16kgまで
  • 天井・屋外・常時水がかかる場所・木部以外には使えない

数値はその製品の条件でのものです。使う製品の説明書で、対象材質・乾燥時間・ 許容荷重を必ず確認してください。荷重のかかる箇所ほど、確認は重要です。

「太いネジに変える」は最終手段

一回り太いネジを打ち直す方法もありますが、広がった穴にさらに太いネジを 入れると、木が割れる・さらに穴が広がるリスクがあります。 家具メーカーが指定するネジがある場合、勝手に太いネジへ変えると 強度・干渉の問題が出ることがあります。穴埋めを優先してください。

ここで作業を中止する

  • 天井から物を吊るす金具・棚受けなど、落ちると危険な箇所
  • ネジ穴の周りの木が割れている・湿気で脆い・腐朽している
  • 対象が木部以外(石膏ボード・金属・樹脂)の穴
  • 補修しても荷重条件が読めない、高価な家具や構造に関わる箇所

これらに該当する場合は、家具メーカーの修理窓口か家具修理業者に相談してください。

部品交換が必要な状態

補修しても締まらない・木材自体が大きく欠損している場合は、 穴の再生ではなく部材側の問題です。ジョイント金具への交換や、 メーカーへの部品請求を検討してください。

関連トラブル